浴衣で巡る「城崎温泉」!古き良き温泉街と7つの外湯の魅力

浴衣で巡る「城崎温泉」!古き良き温泉街と7つの外湯の魅力

今回ご紹介する城崎温泉は1300年以上の歴史を誇り、7つの外湯めぐりや四季折々の景観など、“日本らしさ”を凝縮した魅力が存分につまった温泉地です。

この記事を読めば、城崎温泉が兵庫県のどこにあるのかはもちろんのこと、外湯をはじめとするおすすめスポット、泉質や効能、さらには海外からのアクセス方法までご紹介します。

城崎温泉はどこにある?1300年以上の歴史をたどる

兵庫県・豊岡市に息づく温泉文化

城崎温泉は、兵庫県北部の豊岡市に位置しています。
大阪や神戸などの大都市から見れば少し距離はありますが、そのぶん豊かな自然が残され、ゆったりとした時間が流れているのが最大の魅力です。

実は温泉の発祥は、約1300年前まで遡ります。717年に道智上人という僧侶が長きにわたる修行の末、この地に湯を湧出させたと伝えられており、その後も多くの人々が湯治のために訪れるようになりました。

歴史を重ねながら大切に守られてきた温泉文化が、今なお色濃く感じられる場所なのです。

志賀直哉も魅了された文学と情緒

城崎温泉といえば、文豪・志賀直哉が執筆した「城の崎にて」の舞台としても広く知られています。

当時、城崎温泉で療養していた志賀直哉は、温泉街の趣ある風情に感銘を受け、名作を生み出しました。いまでも旅館や外湯周辺を散策すると、作品中に登場する風景を思い浮かべることができ、その文学的情緒を味わえます。

こういった歴史や文化とのつながりが、城崎温泉の独自の魅力を際立たせているのです。

なぜ「城崎温泉」はオススメなの?7つの外湯めぐりの魅力

浴衣で歩く昔ながらの温泉街

城崎温泉を語るうえで外せないのが「外湯めぐり」。
最大の特徴とも言われる7つの外湯は、いずれも徒歩圏内に点在しているため、浴衣と下駄の姿で湯から湯へと気ままに散策するのが醍醐味です。

浴衣姿でカランコロンと下駄を鳴らしながら石畳を歩くと、まるで昔にタイムスリップしたかのような気分。外湯の周辺にはお土産屋や飲食店が立ち並び、散策しながら地元のスイーツやお茶を楽しむのもおすすめです。

各外湯の個性とご利益

城崎温泉には「一の湯」「御所の湯」「鴻の湯」「柳湯」「地蔵湯」「まんだら湯」「さとの湯」という7つの外湯があります。

それぞれに縁起の良い由来があり、「一番最初に入ると一番幸せになれる」などの言い伝えを持つ外湯も。たとえば「御所の湯」は、安産や子宝に恵まれるというご利益で有名です。近代的な施設と伝統的な外観がうまく融合していて、湯船ごとの温度や広さにも特徴があります。ぜひ訪問時には、受付にあるスタンプを集めて記念に持ち帰ってみてください。

外湯めぐりをするときは、多少の混雑があったとしても、各外湯の個性をしっかり味わいながら巡ると、より思い出深い旅になりますよ。

泉質と効能は?疲労回復にも嬉しい塩化物高温泉

ナトリウム・カルシウム豊富な泉質

城崎温泉の泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・高温泉で、いわゆる「熱の湯」と言われるもの。海水の成分に近い塩分を含んでいるため、湯上がりに肌がしっとりすると同時に、湯冷めしにくいのが特徴です。

外湯めぐりを楽しむ方が多い理由のひとつに、何度も湯に浸かっても心地よい疲労感が少なく、リラックス効果が高いという点が挙げられます。

神経痛や慢性消化器病にも効果的

塩化物泉は体を温める効果に優れており、神経痛や慢性消化器病、冷え症、痔病などにもアプローチしてくれるとされています。実際に、古くから湯治場として有名だったことを思い返せば、その効能が信頼され続けてきた証と言えるでしょう。

体の芯まで温まって免疫力を高められるため、旅の疲れも癒やせます。外湯めぐりで思う存分温泉を堪能した後は、旅館に戻ってのんびり休むのも、城崎温泉を満喫する上での王道スタイルです。

外湯以外も必見!城崎温泉の観光スポット

志賀直哉ゆかりの地や文芸館

城崎温泉には、外湯めぐり以外にも見逃せないスポットがたくさんあります。文学ファンなら外せないのが「城崎文芸館」。志賀直哉をはじめ、城崎を愛した多くの文人たちの作品や資料が展示されており、温泉と文学のコラボレーションを堪能できます。ここを訪れると、作品の世界観を追体験できるだけでなく、当時の城崎温泉の様子もイメージしやすくなるはず。

また、志賀直哉が滞在したという旧居跡など、歴史に思いを馳せることができるスポットも点在しています。散策途中にある小さな碑文や文学碑も、その背景を知ることでいっそう深みのある旅になるでしょう。

玄武洞公園

城崎温泉からタクシーで約10分、兵庫県豊岡市赤石に位置する玄武洞公園は、約160万年前の火山活動によって形成された圧巻の地形を間近で観察できる貴重なスポットです。1931年に国の天然記念物に指定されたこの公園では、規則正しい割れ目(柱状節理)が美しく並ぶ5つの洞窟が見られます。

最大規模を誇る「玄武洞」をはじめ、「青龍洞」「白虎洞」「南朱雀洞」「北朱雀洞」と、それぞれに特徴的な柱状節理があるため、自然と歴史の共演をじっくり味わうことができるでしょう。

城崎温泉へのアクセス

関西国際空港など複数ルートからのアクセス

城崎温泉へのアクセスは、関西国際空港・大阪国際空港・京都駅・神戸三宮駅など、複数のルートからスムーズに行うことができます。下記に最速ルートと所要時間をご紹介しますので、旅程を立てる際の参考にしてください。

関西国際空港(KIX)からの最速ルート(総所要時間:約3時間30分)

1.関西空港駅 →(特急はるか 約50分)→ 新大阪駅

2.新大阪駅 →(特急こうのとり 約2時間40分)→ 城崎温泉駅

到着後は駅前から温泉街まで徒歩圏内です。浴衣に着替えてすぐに外湯めぐりをスタートできるのが嬉しいポイントです。

大阪国際空港(伊丹空港・ITM)からの最速ルート(総所要時間:約3時間10分)

1.伊丹空港 →(リムジンバス 約30分)→ 新大阪駅

2.新大阪駅 →(特急こうのとり 約2時間40分)→ 城崎温泉駅

リムジンバスで新大阪駅へ移動後は、関西国際空港からのルートと同様、特急こうのとりで一直線。出張やビジネスの合間を縫って城崎へ寄りたい方にも便利です。

京都駅からの最速ルート(所要時間:約2時間20分)

京都駅 →(特急きのさき 約2時間20分)→ 城崎温泉駅

京都での観光を楽しんだ後、そのまま乗り換えなしで城崎温泉へ。日本文化を満喫する旅のプランに最適です。

神戸三宮駅からの最速ルート(所要時間:約2時間30分)

神戸三宮駅 →(特急はまかぜ 約2時間30分)→ 城崎温泉駅

おしゃれな港町・神戸から日本海側へ、雄大な景色を車窓から楽しみながら移動できます。

鉄道・バス乗り継ぎのポイント

主要駅からの直通列車があるため、乗り換えの煩わしさは比較的少なめ。荷物が多くても、周辺にはコインロッカーや手荷物預かり所があるため、観光をしながら移動しやすいのも魅力です。

また、バスを利用して城崎温泉まで移動する方法もありますが、特急列車と比べるとやや時間がかかることが多いので、スケジュールや荷物の多さに応じて選ぶのが良いでしょう。

まとめ

城崎温泉は兵庫県北部に位置し、1300年以上もの歴史が刻まれた温泉地です。7つの外湯めぐりはもちろん、泉質や効能、文学や文化といった多面的な魅力があり、どなたでも満足できる旅になることでしょう。温泉情緒あふれる街並みを浴衣で散策していると、日常の忙しさを忘れてしまうほどの癒やしを感じられます。

さらに海外からのアクセスも思ったより複雑ではなく、主要空港から鉄道やバスを利用すればスムーズに到着可能。大阪や神戸などの大都市圏を観光してから、もう一足伸ばして城崎を楽しむ旅程を組むのも素敵です。

旅を計画しているあなたは、ぜひ外湯や文芸スポット、そして季節ごとの景色やグルメなど、城崎温泉ならではの魅力を余さず味わってください。見どころ満載の外湯旅で、心も体もリフレッシュしてみませんか?日常から離れた静かなひととき、城崎温泉がきっと応えてくれます。