
八芳園は東京都港区白金台にあり、約1万2000坪の敷地内で江戸時代から続く美しい日本庭園と建築物、そして自然の融合を眺めることができる、人気のスポットです。
日本に多くある桜の名所のなかでも、日本庭園の中に咲く美しい桜を眺めることができる貴重なスポットとして、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。
特に、開花時期に合わせて実施される夜桜のライトアップや限定イベントも評判が高く、桜の時期限定のメニューを提供するカフェやレストランも、人気です。
八芳園は、江戸時代(17世紀初頭〜19世紀前半)の初頭に、幕府の旗本である大久保忠教の屋敷があった場所を中心に整備された庭園です。
現在の庭園の形に整備されたのは1915年頃で、第二次大戦後は、銀座や築地で料亭を手がけていた長谷敏司が運営を手がけたこともあり、絶品の食事を楽しみながら日本庭園を眺めることのできる場所として人気が高く、2022年には岸田総理とバイデン大統領の夕食会の舞台に選ばれました。
桜はもちろんのこと、夏の若葉・秋の紅葉・冬のすんだ景色も人気が高く、日本人はもちろんのこと、海外からいらっしゃったからの人気がとても高いスポットになっています。
八芳園に植えられている桜の本数は約80本で、他のお花見スポットと比較すると、それほど多いわけではありません。
しかし、1本1本の桜の木がとても大きく育っており、庭園内の新緑や、伝統ある建物とのコラボレーションが唯一無二の魅力となった人気のお花見スポットです。
八芳園は、樹・石・水・土の配置によって、ありのままの自然を再現した、回遊式の日本庭園です。
樹齢500年以上の盆栽など、自然の美しさを活かして手入れされた植物と、わびさびを感じる枯山水、そしてかつての面影が残るように移築されたお茶室の「夢庵」や、料亭の「壺中庵」など、歴史的・伝統的な建物のコントラストが、息を飲む美しさだと評判です。
その庭園内に植えられた桜は、河津桜やソメイヨシノ、八重桜、枝垂れ桜、御衣黄などです。
桜並木のように何本もの桜が連なって咲くのではなく、江戸時代を感じる庭園に春の色を添える控え目な桜の美しさが、日本の「わびさび」に通じる儚さを醸し出しています。
日本庭園の美しさを際立たせる昼間の桜とは対照的に、ピンク色の光でライトアップされた八芳園の夜桜はとても鮮やかで、日本庭園の新しい楽しみ方を知ることができます。
八芳園の桜のライトアップは例年、桜の開花時期に合わせて開催される「TOKYO SAKURA GARDEN SPRING FESTIVAL」の時期に行われ、日没から21時まで楽しむことができます。
2024年のTOKYO SAKURA GARDEN SPRING FESTIVALでは、夜桜を見ながらオリジナルカクテルやモエ・エ・シャンドンなどの花見酒を楽しめる限定BARや、DJイベントなどが開催されました。
日本庭園と新しい文化の融合が楽しめる、夜の八芳園もおすすめです。
八芳園には、先ほどご紹介した日米首脳の夕食会が開かれた料亭「壺中庵」に加えて、Thrush CaféやRESTAURANT ENJYUなど、食事が美味しいレストランがあります。
これらのレストランでは、桜の時期に合わせて限定メニューや限定アフタヌーンティーを愉しむことができるので、桜をモチーフにしたお食事やスイーツを目当てに、多数の観光客が訪れます。
桜の時期限定のメニューは例年、要予約となっていますので、八芳園を訪れる日程が決まったら、早めに予約しておきましょう。
八芳園では2月初旬〜中旬にかけて、河津桜が開花と見頃を迎えます。
その後、3月中旬頃に滝桜、3月下旬〜4月初旬にかけてソメイヨシノが開花します。
ソメイヨシノの満開は、2023年は3月29日頃、2024年は4月1日頃でした。
東京都港区白金台1丁目1−1
八芳園は、羽田空港からタクシーで30分程度の場所にあります。
公共交通機関を利用する場合は、空港線特急に20分ほど乗車して品川駅に行き、品川駅からバスで10分ほどの白金台駅前バス停で下車すると、徒歩3分ほどで八芳園に到着します。
八芳園から歩いて10分ほどの場所にある東京都庭園美術館は、1933年に建設されたアール・デコ様式邸宅と展覧会、そして緑豊かな庭園を楽しめる美術館です。
特に庭園内では、八芳園の桜と開花時期を同じくする枝垂れ桜やソメイヨシノを楽しむことができます。
東京都港区白金台5-21-9
八芳園から徒歩3分ほどの場所にある瑞聖寺は、創建350年以上の歴史がある本殿と、日本を代表する現代建築家の隈研吾が手がけた庫裡(くり:住職の住居のこと)の融合が美しい寺院です。
歴史的な建造物とモダン建築が融合したアートな空間で静かに参拝することができる、人気の観光スポットとなっています。
東京都港区白金台3-2-19
国立科学博物館附属自然教育園は、都会にある植物園でありながら、まるで郊外の森を散策しているかのような気分になれる空間です。
園内には、池のほとりにソメイヨシノが植えられており、水面に映る桜の美しさを楽しむことができるほか、春の陽気に誘われた蝶やテントウ虫などを観察することができます。
東京都港区白金台5丁目21−5
八芳園は、歴史ある日本庭園のなかで桜を眺めることのできる、絶好のお花見スポットです。
「これぞ日本らしさ!」という春の光景を見たい方に、特にオススメの場所となっています。
都心からのアクセスがよく、昼と夜で全く異なる桜の美しさを感じることができるので、ぜひ足を運んでみてくださいね。